始まりはWAV

パソコンが普及し始めた頃、音楽ファイルの大きさも、転送などに大きな影響を及ぼしました。技術の限界ということもありますが、基本的に音楽や動画などの動的ファイルは、データ量が増えるため、電子メールなどで送ることは、あまり好まれない状況でした。今では、そういう問題もあまり聞かれなくなりましたが、Windows95がリリースされた当時に、1MBのファイルを電子メールに添付することは、動的ファイルに限らず、静的ファイルにおいても、ご法度のようでした。
ともあれ、音楽ファイルなどは大きな容量になりがちですが、標準の音源ファイル形式があり、今でも利用されています。それがWAVになります。これは、非圧縮フォーマットを利用したもので、Windowsから誕生したとも言えるのでしょう。マイクから自分の音声を録音したことがあるかもしれませんが、OS添付のレコーダーを使えば、WAV形式での録音となります。また、Windowsのシステム音も、基本的にはWAV形式であり、最新の音声であっても、WAVが採用されています。標準となっているように、WAV形式があったからこそ、今日方々で使われている音源ファイル形式も誕生したとも言えるかもしれません。
しかし、標準というものは、基本になるものであり、言ってしまえば、応用が生まれる契機となるものです。技術的な限界があり、たとえば、32ビットで作成されるため、容量にも限界があります。4GBを超えるファイルが作成できないようです。つまり、DVD1枚分の音声ファイルをWAV形式では、作り出せないということです。しかし、近年では、WAVという標準を保つために、新たな開発が行われたようです。32ビットではなく、64ビット晩のWAV形式を生み出し、ファイルサイズの限界を超えたようです。その場合、拡張子がWAVではなく、WAV64となるようです。
ちなみに、WAVと同様な非圧縮フォーマットの音源ファイル形式は、ほかにもいくつかあります。たとえば、AIFFというものがあります。これは、Windowsではなく、Macパソコンに採用されているもので、Mac用のWAV形式という言われもあります。Macパソコンの標準音源ファイル形式のようです。また、BWFという音源ファイル形式もあります。もしかしたら、日本では馴染みがないかもしれませんが、ヨーロッパにおけるWAV形式であり、標準音源ファイル形式のようです。