ハードとソフトと音楽

音楽を楽しむためには、何が大事でしょうか?かつてのレコード時代であれば、機器にお金を掛け、なおかつ、レコード自体にも、聞く前に必ず掃除をし、そうして、アナログ音を楽しんでいるマニアのような人も、多数いました。
けれども、現代のデジタル時代では、そういう音のためのメンテナンスのようなことも、あまり必要がなくなったとも言えます。mp3などの音源ファイル形式が代表的ですが、デジタル・フォーマットの場合、劣化が少なく、コピーを繰り返しても、オリジナルの保てるというメリットがあります。しかも、時とともに、コピーも容易になり、音楽ばかりでなく、動画においても、同様なことが言えるでしょう。けれども、それは、別な問題をも引き起こし、最も典型的なものでは、著作権に触れるようなものが、インターネットで公開されてしまうということです。しかし、音楽を楽しみたいという純粋な動機を侵害することも問題であり、最終的には、技術的にコピーに限度をつけるか、完全に不可能にするかの処置をするようになるのでしょう。現に、それが行われていることも、確かなことでしょう。
ともあれ、デジタル時代における音の世界は、品質を保つということには優れているでしょう。けれども、やはり、アナログ時代と同様、機器などによって、音が変わることは確かなようです。デジタル音源は、機械的な音になることが多く、少々軽めになってしまう傾向があります。低音の好きな人には、物足りないかもしれず、たとえばイコライザー付のプレイヤーを入手するようになるでしょう。あるいは、パソコンで楽しむであれば、サウンドカードにお金を掛けたり、あるい人においては、音専門のステレオ機器などに接続し、自分の好きな音質にして、楽しむかもしれません。結局、デジタル時代と言っても、音を楽しむであれば、ハードやソフト面にそれなりの工夫を凝らす必要があり、現在のようなブロードバンド時代でない時でも、そうしている人がたくさんいました。そうだからこそ、まだまだ音専門のステレオやサウンドカードなどの市場が保たれているのでしょう。
最終的には、音を楽しむことも、個人の趣味趣向となり、再生できれば良いという人もいれば、そうでない人もいます。中には、音源ファイル形式を自分で変換し、好きな音質として、音を楽しんでいる人もいるかもしれません。音の世界も、無限であり、デジタル時代であれば、なおさら、それが強いなっているのかもしれません。